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澤姫のこだわり

コンセプトは「真・地酒宣言」!!

澤姫は普通酒から大吟醸・鑑評会出品酒まで、全製品の原料米に栃木県産米を100%使用しており、とことんまで地元・栃木県産素材にこだわります!
全国に目を向ければ、兵庫県産「山田錦」や岡山県産「雄町」など、素晴らしい酒造好適米が存在し流通しているのは百も承知ですし、それらの優良品種の育種に関わられた先進県の技師の方々や、その品種を用いた王道的酒造法を編み出した先人たちには畏敬の念を抱いてやみません。

だからこそ、我々は地元産米のみを用い、伝統の技術に革新というスパイスを加えながら、誇りをもって王道に挑み続ける酒蔵でありたいと考えています。いや、決して反骨精神ではありません。アンチテーゼでもないんです。栃木に生まれ育った酒造家としての必然的な宿命であり、本当にごく自然な挑戦であると感じています。

仮に我々の酒造りがある一定の評価をされたとすれば、当然用いている原料にもスポットが当てられます。県内外からの酒米の受注が増加することで栃木県産酒造好適米の需要と生産量が伸びれば、地元農業への貢献ができるかもしれません。我々の蔵の周りの田んぼが酒造好適米になれば、当然我々にもメリットはあります。酒処のイメージが増し、酒蔵自体が観光資源として地域貢献なんていうのもいつかはできるかもしれません。何と言いますか…まあ夢を語ればキリがありませんが、地域資源にとことんまでこだわることで、我々の酒造りが名実ともに地元に笑顔を生み出す源になるんじゃないかなってのを、我々は大真面目に考えている次第です。そして、それこそが我々の信じる製造コンセプト「真・地酒宣言」の基本指針であり、我々を様々な挑戦に駆り立てるエネルギーの源なのです。







・・・とは申し上げましたが、基本的に我々は奇抜な酒造りを追い求めているわけではありません。
杜氏をはじめとした蔵人は若手職人が中心ではありますが、伝統を重んじ、日本文化の担い手として、後世に残せる酒造りを常に追い求めています。決して器用な蔵人ばかりではありませんし、斬新な設備があるわけでもありません。だからこそ、我々にできる精一杯を、愛する地元産素材の持つ潜在能力を引き出すという一点に注いでいる次第です。日本中の名だたる酒米を使いこなすことはできなくても、地元・栃木の厳選素材だけは世界中の誰よりも上手に使いこなせる、無骨ではあれ実直な積み重ねを活かす、そんなスタイル・社風でありたいと考えています。皆様に美味しいと喜んで頂ける美酒造り。そして新・地酒王国とちぎ確立へ。澤姫の挑戦は日々続いています。

◆こだわりのポイント◆
古きを訪ねて新しい知見を得るという意味の「温故知新」という言葉がありますが、澤姫では古来伝統の天然醸造法である「生酛(きもと)造り」と「山廃造り」にも同時に取り組んでいます。目指す酒質は必ずしも昔ながらの重厚なタイプではありませんが、失敗を恐れず古き技術を積極的に実践することで、いわば「澤姫スタイル」の復活醸造酒が近年確立しつつあります。また、近年では超濃醇酒質である「試験醸造純米酒 GOLD」のような新しいタイプの日本酒も発表し、国内外から大きな評価を得ています。これからも澤姫蔵人達の挑戦にどうぞご期待ください!


澤姫は、「後味の軽さ」にこだわります!

日本酒は、食べ合わせによっては一緒に楽しむお料理の旨味を格段に膨らますことができる「究極の食中酒」であることが知られています。私どもの作品「澤姫」も、ご家庭やレストラン・酒宴の場で食卓に彩りを加える食中酒でありたいと考えています。過去のワインブームの影響もあり、食中酒の条件として「酸味」が注目されていますが、かつて日本酒業界では過ぎた酸味をタブー化していた時期もありましたので、現在のこの風潮には酒造家として純粋に楽しさ、そして喜びを感じています。表現の幅が広くなり、様々なタイプのお酒の提案が可能になりました。

私どもは決してトレンドを追いかけているわけはありませんが、長いスパンで考えると、全国的に日本酒の味わいはライフスタイルの変遷に伴い、時代と共に常に変化していると言っても過言ではありません。かつて隆盛を極めた淡麗辛口スタイルから濃厚芳醇型にシフトし、近年は甘口傾向が顕著になり始めているのも感じています。旨味や香り、甘さ辛さなど、何かしらの極端かつ強烈なストロングポイントを持つニューウェーブ系の日本酒も目立つようになりました。

例え話になりますが、現在の斬新なインパクトを持つG系ラーメンブームの中で、「古き良き昔ながらの中華そば」という古典王道的スタイルを売りにして、毎日長い行列を作っている話題の名店の主人に繁盛の秘訣を尋ねたところ、「スープや具材の見直し、追加の努力を見えない所で毎日怠らないことだ。」との答えがあったと聞いたことがあります。つまり常に更新するレシピでありながら、オールドスタイルという不変カテゴリーの作品を時代に合わせて作り上げていたということです。目からウロコ、とはこの事だなと思った瞬間でした。考えてみれば当たり前ですよね。戦前のように屑野菜とダシガラだけから取ったスープで、現代のラーメンファンの舌を魅了させることができるわけありませんから。

さて閑話休題。「澤姫のお酒は甘口ですか?辛口ですか?」という質問をお客様から非常に多く頂きます。香り華やかで口当たりソフトな甘口タイプに仕上げている純米大吟醸酒や、爽やかな香味でキレの良い辛口タイプに仕上げている純米吟醸酒など、澤姫でもジャンルによって様々なタイプをご用意させて頂いております。淡麗、濃醇にしても、香りの高さ・要素にしても然り。同じタイプの味はひとつとして存在しません。製品個別の味わいについては、各種製品のご案内ページをご覧ください。しかしながら、前述の例のように澤姫にもブランドとしての共通不変のカテゴリーがあります。それは「後味の軽さ」。我々が大切にこだわり続けている澤姫の「個性」です。

余韻が長いタイプのお酒も時には魅力ですが、万能的な食中酒であるためには、ある程度お料理の味わいを膨らませたところで、潔くスッと消える後味の軽さが重要ではないかと我々は考えています。そして、「もうひと口お料理を食べたい!」、「もうひと口お酒を呑みたい!」と思わせるお酒。決して飲み飽きせず、杯を重ねるごとに魅力が高まる。そんなお酒が食中酒として最高であり、それこそが「澤姫」の理想形なのです。













◆こだわりのポイント◆

後味の軽さを生み出すポイントは、その蔵の水質や環境などによる蔵グセも含めて多くの要素がありますが、我々澤姫蔵人が最も意識しているポイントは「菌糸の繁殖量に関わらず、使用時に硬く締まった清潔な米麹を造る」ことにあります。そのため、澤姫の米麹を造る麹室(こうじむろ)は湿度が極端に少ない超乾燥環境にしています。