「澤姫 きもと純米 真・地酒宣言」リニューアル新酒の発売について
「いっぽん!!~しあわせの日本酒~」コラボレーション新酒として、2016年4月11日発売再開!
新栃木酵母「T-ND42」使用でリニューアル。それまでの道のりとは・・・?
皆様、大変お待たせいたしました!
蔵元完売で販売を休止しておりました「澤姫 きもと純米 真・地酒宣言」ですが、4月11日より平成27酒造年度新酒にて発売を再開致します!
10数年前にきもと造りを復刻醸造するにあたり、古来伝統の自然醸造法をリスペクトする意味から、本製品ではクラシックな協会酵母である協会701号酵母を使用しておりました。数種ある栃木酵母は全て吟醸酒向けに開発された経緯もあり、酸の生成も比較的低いことから、きもと造りや山廃などの製品に使用するのは少々上品すぎるかな、と考えていたことも理由のひとつです。
しかしながら、この製品に使用している酒造好適米「とちぎ酒14」は、名前の通り栃木県で開発されたオリジナルの酒米。私にとっても開発に携わった思い入れのある純・栃木県産の酒米です。だからこそ、そんな米を使ったきもと造りに合う、新しい栃木酵母の開発を栃木県産業技術センターにずっと要望しておりました。そして、ついに昨年末、センターの若手技師先生から「酸の出る酵母、もしかしたら、骨太なきもと造り向きの栃木酵母ができたかもしれません」との朗報が入る。
待望の連絡だっただけに本当に嬉しかったのですが、私の中でひとつの葛藤もありました。「もちろんすぐに新酵母は使ってみたい。しかし、今までこの製品を吞んで愛してくれた方々に受け入れてもらうことができるだろうか・・・?」と。
恩人・増田晶文先生との再会。そして、名実ともに「純・オール栃木」の地酒に!
左側が火入れの通常バージョン。右側は特約店限定販売の生原酒バージョン。そんな矢先に、作家の増田晶文先生から電話を頂きました。増田先生といえば、私が酒造りの難しさをひしひしと感じ、悩み、周りの期待からの重圧に押しつぶされそうになっていた若手の頃、ちょっとしたご縁で雑誌上で「澤姫」を紹介して下さり、立ち直るきっかけを作ってくれた方(ご本人は覚えていないと思われるが・・・)のひとり。その直後私は「真・地酒宣言」のコンセプトを打ち出し、全製品の原料米に地元・栃木県産米を100%使用する挑戦を達成することができた。いわば恩人である。
先生は電話で、「『いっぽん!!』で澤姫の『真・地酒宣言』を紹介させて欲しい」と仰った。「そして、できれば、きもと純米で!」とも。・・・これは運命なのか?
きもと純米ですね、ちょっと今リニューアルするかどうか迷ってるんですよ。そう答えた私に、先生はさらりと「なるほど。澤姫の新しい挑戦、ぜひ見たいですよ。きもと純米で。」と返す。・・・決めた。即決。挑戦こそ我が人生(笑)
その後、取材の打ち合わせを兼ねた、ささやかな酒宴の席で先生は言う。
「わっはっは。これはもう『いっぽん!!×澤姫』のコラボ酒だね!」と。
・・・いや、まさにその通りです。
今回より新分離株・栃木酵母T-ND42を使用した事で、これで名実ともに「純・オール栃木」の酒となり、我々の提唱する製造コンセプト「真・地酒宣言」も新たなステージを迎えることができたかと考えております。
そんな挑戦の結果を瓶に詰め込んで、満を持して4月11日に発売開始です。加水火入れの通常タイプに加えて、特約店限定発売の生原酒タイプも同時リリース!「いっぽん!!」コラボの首下げは友情、信頼、そして感謝の証です。皆様、リニューアルした「澤姫 きもと純米 真・地酒宣言」をどうぞお試しあれ!!
増田晶文先生原作・松本救助先生作画の「いっぽん!!~しあわせの日本酒~」は、グランドジャンプ(集英社刊・毎月第1・第3水曜日発売)誌上にて好評連載中です。待望のコミックス第1巻が2016年4月19日に発売となります。愛飲家必見・増田先生のコラムも掲載。皆様、お近くの書店にご予約を!