栃木県産米・栃木酵母・下野鬼怒川伏流水で下野杜氏が醸した純栃木産地酒
「澤姫 大吟醸 真・地酒宣言」が世界を制す!
世界最大級酒類コンペティション・インターナショナルワインチャレンジ(IWC)2010での奇跡
SAKE部門「吟醸酒・大吟醸酒の部」にて世界最高賞「チャンピオン・サケ」に輝く
忘れもしない2010年9月7日、私は着慣れない正装・紋付袴を纏って、英国を代表する五つ星ホテル「ロンドン・ヒルトン・パークレーン」のホールにいた。明らかに日本のそれとは違う雰囲気の表彰式・IWC2010 アワード・ディナーに参加する為に。
カクテル光線と音楽、そしてスモークや映像など、様々な趣向を凝らせたその雰囲気は、かつてTVで見た某国際映画祭の授賞式のようであり、落ち着かない私は明らかに場違いな表情を浮かべていたに違いない。
インターナショナルワインチャレンジ(IWC)は、毎年ロンドンで開催されている世界最大級のワインコンペティションであり、ワインだけで12,000種類を越える出品があると聞く。そんなIWCに2007年からSAKE(日本酒)部門が設立された。2010年5月、厳格な審査で知られるその第4回目のSAKE部門・IWC2010への挑戦で、「澤姫 大吟醸 真・地酒宣言」は幸運にもゴールドメダルを受賞することができた。上位3%~5%にのみ与えられる栄誉であり、当時は実感は湧かなかったものの、今思い起こせば、我々が提唱する地元産米ひとごこち米100%での挑戦である「真・地酒宣言」の大吟醸が、酒米の王とも呼ばれる山田錦で醸した大吟醸と互角以上に戦えると、初めて自信を得た瞬間であった。
同年6月、続いて澤姫はゴールドメダルの上位賞「トロフィー」を受賞する。そしてその受賞により、SAKE部門の最高賞「チャンピオン・サケ」候補にノミネートされたというではないか。あまりの急展開に、驚きを隠せぬまま私はロンドンに向かった。
「信は力なり!」 我々は今後も、地域に根差した挑戦を続けてまいります
"Champion Ginjo Daiginjo..... Winner is..... SAWAHIME DAIGINJO!!"
高らかにそうコールされた瞬間、実は私は酔いも手伝ってか、あまり良くその時のことを覚えていない。
私がかつて全製品栃木県産米100%使用という挑戦を表明した際には、多方面から否定的な意見を沢山頂いたのを覚えている。栃木産米で日本最高クラスの酒を造ることは絶対に無理だ、と。
確かに難しいかもしれない。まだ誰もやったことのなかった挑戦なのだから。でも、私は栃木に生まれた醸造家として、意地でもその挑戦を続けて行こうと考えていた。今後、胸を張って全国、そして世界に栃木の酒を伝えていくために。スクールウォーズのタキザワ先生も言ってたじゃないか!「信は力なりです」と。
翌年のIWC2011で本製品が再びゴールドメダルを獲得し、IWC2017にて「下野純米大吟醸」、IWC2019で「純米吟醸プレミアム」、IWC2020で「純米大吟醸 真・地酒宣言」もゴールドメダルを受賞したが、最高賞である世界一の称号『チャンピオン・サケ』再受賞は未だ叶わない。もしかしたらあのチャンピオン受賞は、本当に儚い奇跡に過ぎなかったのかもしれない。しかしながら、我々は今後も愚直に、地域に根差した様々な挑戦を、誇りをもって続けていこうと考えている。
・・・・栃木の米は最高なんだぜ! 「信は力なり」です!
International Wine Challenge 2010 Award